今までほとんどシルバーなどの金属でのみジュエリーを制作していましたが、今年に入って心惹かれる石に出会い、少しづつ納得のいく形に仕立てられるようになった気がします。 石の特徴を生かせるデザインがようやっとまとまってきた、感じでしょうか。 そういう訳で、シルバーと石という新たな試みがふつふつと湧きだしております。 Stay homeでアイディアを話合う時間が出来たおかげで進んだプロジェクトは、バースカラーという、「自分だけの選ばれた6色」を取り入れたリングの制作です。 バースカラーインストラクターをしている吉田真由美さん企画の元、リングの形や石の色を検討しながら進めております。 バースカラーを診断してもらっても、意識して常に使うというのは、なかなか難しい所。 うっかり忘れちゃったり、意外と身近になかったり。 それじゃあ、毎日の生活の中で自然と使えるアクセサリーに出来たらどうだろう? そんな話から真由美さんとリングが良いのでは、という話になりました。 しかもピンキーリング! 以前”指にはそれぞれ意味がある”という記事を書きましたが、小指には「自分の想いや力を高める」という意味があると言われています。
特に、右の小指は自分の魅力を上げたりチャンスを招くのに良いされ、左の小指は願いを叶えるためや身を守ってくれる、というような効果があると言われています。 また、「幸せは右の小指から入って左の小指から出ていく」と昔から言われている事からも、右小指からチャンスを取り入れて、左小指から出ていかないように予め、リングで蓋をしてしまうと良い、と教えてもらったことがあります。 目的に応じたパーソナルカラーをピンキーリングとして左右の小指の意味を考慮しながら着けると、その色の持つ特性がさらに効果的に作用するのではないか。 最近の一番考えることです。 またリングの良い点は、常に目につくアイテムであるということ。 ピンキーリングは普段使う指でなく、むしろ人の目から隠れてしまう小指だから、自分の目的のために使う指、として、うってつけです。 だからデザインも、馴染みやすいO Ringに石をあしらったもの、とチェーンをアレンジしたちょっと特徴を持たせた2種類のボディから選んでいただくようにしました。 そして、通常リングはシルバーの経年変化を楽しんでいただく為に、あまりコーティングを施さないのですが、石とのコンビネーションも考えて18Kゴールドコーティングとロジウムコーティングをすることにしました。 石の種類は11種類。 よくある誕生石やパワーストーンのように石の意味、というよりも、色味を重視して石を選んでおります。 ただ、石との出会いも一期一会。 同じボックスから選んでも、世界に一つの石だから、少しづつの違いがあります。 またそれも、出会いとして楽しんでいただけたら、と思っています。 あなただけのラッキーアイテムとなりますように。
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昨日受けた「ハレアートの体験会」本当に思いつくまま描いていたので、あとでよくよく見ると、よくこんなデザイン出てきたな、と思う部分もありました。 自分の中に蓄積された情報の中からランダムに出てきたのかもしれませんが、それだけ色々な情報を毎日の生活の中からピックアップしているのかもしれません。 特に気を惹かれるのは、一期一会、偶然に出会ったものだったりします。 万華鏡の中を覗いたときに見た色のバランスだったり、木漏れ日の中に混じった面白い形の影だったり。 瞬間であるからこそのインパクトなのかもしれませんが、そういう情報が後々何かの切っ掛けになったりするのです。 モノをデザインするとき、出来るだけ先入観を持たないように心がけています。 「これはこうあるべき」と考えると、創造の幅が狭まってしまうので、出来るだけニュートラルな気持でおこなえるように。 また素材の持っている特徴が最大限生きるように、デザイン出来るように、と考えます。 シルバーは基本素材ですが、ハンマーで叩いていくとバネ性が出たり熱伝導が良かったり、10金も叩くことでバネ性が出たり。 ただ形作る以外の特徴を生かすと、可能性が生まれるのです。 最近では石屋さんで一目惚れした石の魅力が生きるように、パーツを作っています。 もしかしたら、ジュエリーと呼ぶにはシンプルなデザインかもしれませんが、石の涼し気な色味やカットの形を楽しんでもらいたい。 そういう目的が最近石を扱うモチベーションになっています。 デザインすることは、0から創造するばかりではなく、スターティングポイントというモノが存在します。
私のデザインの中では、雪の結晶であったり蝶であったり。 その素材を目の前に置いたときに、どう展開させていくか。 まるで料理のような感じですが、レシピが存在しないものは同じ感覚かもしれません。 先週素敵な石を購入したので、制作するのが楽しみです。 以前からブログの書き方講座でご一緒した神聖幾何学アートのインストラクターをしているしんたかよさんの体験講座を受けてみました。 インストラクターをしていると聞いていたのですが、幾何学模様はわかるけど、神聖幾何学とは何だろう、と思ってました。 意味としては、古代から幾何学模様が宗教的に神聖な場所のデザインや建造物を構造するために使われていた事から、そのような図形を「神聖幾何学」と呼ぶようです。 幾何学構造とは、非常に身近な自然界に存在する構造に見ることが出来ます。 ロマネスコの形やひまわりの中央の種の部分、花を上から見た形に。 以前大学のエッセイで、「美の基準は何だろう」というエッセイを書くために、調べたことがありました。 美しさの一般的な基準とされる黄金比の図形からも、基準の形が連続することにより、バランスの取れた構造(美しさ)を見ることが出来ると言われています。 そう言うことから、「美しさ」の要素の一つとしてバランスが重要だ、と定義したのです。 そういうこともあってか、形のバランスが取れた構造をよくデザインに使います。 自然の中にある形はそれだけで美しさを感じるので、シンスピレーション元となります。 わかりやすいのが「Snowflake series」。 雪の結晶を元に、構造を分解してパーツとし、再構築することで新たな形と機能を加えました。 分子構造や細胞の構造一つとっても、基本の形は本当にシンプル。 その形が次々と連なり巨大化していくことで、複雑な形になっていきます。 サンプル模型として構造を作ることはよくやっているのですが、「ハレアート」では色を塗ったり手書きの模様を加えたりしていきます。 構造という骨組みから色という表面が加わることで、さらなる展開をしていったので、最後の方は思いつくまま深く考えずに手を動かしていきました。 いつもと違う視点から形を作ってみたくて参加しましたが、頭を空にして集中して書けたので、意外な形が出てきたり色の組み合わせがあったり。 気分的にはすっきりと、結果的には自分を違った角度から見れたような、面白い体験が出来ました。 続けていくと、その時の状態によって様々な違いが見れるようなので、続けてやってみようかと思いました。 心を落ち着かせて没頭して描く。 鏡のように心に浮かんだ事を描きだすと、万華鏡の中を覗くような感じです。 詳しいことは、しんたかよさんのブログをどうぞ。 世界中で外出自粛が行われて、日本も遅まきながら自粛の時を過ごしたここ2か月。 圧倒的に自宅で過ごす時間が長くなったと思います。 元から自宅でお仕事をされている方などはそこまで大きく変わらないかもしれませんが、会社で仕事をされる方はほぼ80%位を外で過ごし、家に帰るのは寝るだけ、という方も多いのではないでしょうか。 だから土日は寝るのに徹する。 そういう生活だと随分変化があるかと思います。 そうでなくても外で時間を過ごすのが中心だと、家で時間を過ごすことに物足りなさ を感じたり。 逆に今までまとまった時間が取れなくて、出来なかったりなかなか進まなかったものができるようになった、という方も多いかと思います。 お世話になっているECサイトのバイヤーにお聞きしたところ、キッチングッズの購買率がが前年度比250%上がったと言われてました。 今まで「美味しいものは外食で」や「料理する興味がない、時間がない」という方々の意識が変わったのかな、と思いました。 かくいう私も「料理にかける時間がないから、美味しいものは外食で」系だったのですが、アトリエでの仕事の時間帯を見直して、家で過ごす時間を増やし、自炊を充実させるようになりました。 もともと、英国にいたときは皆でワンディッシュ持ち寄ってお食事会をしたり、教会に行って礼拝の後におやつの時間や食事の時間があったり誕生日やイベントごとのパーティーをしたり。 仕事の時間は100%仕事、自分の時間は100%楽しむ事に使う。 そういう時間の使い方が当たり前だったので、日本ではなかなかそういう時間の使い方が出来ていなかった、と最近振り返ります。 なぜかというと、生きるために仕事をしていた、というよりも、仕事のために生きていた割合が大きいから。
色々雑多なことまで仕事として詰め、ウィークデイはほぼ家に寝に帰るような感じ。 ウィークエンドも終わってないものがあったら仕事の続きをしにアトリエにいったり。 仕事以外の事に時間を使っていたら、なんとなく罪悪感を感じたり。 そういう思い込みを日本に帰ってから持っていました。 だからなかなか学びのための講座を受けたり、積極的にしていませんでした。 ところがこのような状況になったら、講座の方から機会を作ってくれる状態になりました。 あちらこちらでオンラインで開催されるようになり、他にも様々な分野で講座が開催されています。 時間と距離の常識を一気に超えた感じです。 「常識は何かを切っ掛けに突然変わる」 天災などで個人の常識が突然変わることはあるけれど、社会全体的に変わると影響が凄まじいとほとんどの人が感じているかと思います。 そういうことからも、今までの生活を振り返り、これからどう生きるか、もっと視野を広げて考えようと思います。 何かあってから考えるのではなく、柔軟に対応出来るような余裕をもって、もっとワークもライフも楽しく充実させたい。 気を付けたいのはすぐ「詰める」方向で充実としてしまうので、「差し引く」方向で充実させていきたい。 常にゆとりのある心持ち。 これからの在りたい姿です。 ずいぶん空間が開いてしまいました。 ここ何週間の気温の変化にしてやられて、体調を崩してしまったり、Stay homeで体のメンテナンスを怠っていたら思っていたよりも反動がきて、商売道具の手に影響が出たり。 変わらない体調を保つには、ベストな状態の生活サイクルを維持する必要があり、それを見つけるには日々の観測が大事だということがわかった数週間でした。 わかってはいるけれど、なかなか続けられない習慣化の壁は”習慣化のコンサル”宗像陽子さんに指導していただき、体メンテナンスは理学療法士の在津幸子さんに教えていただきました。 どちらもzoomでの指導ですが、すごいわかります。 どちらにも共通したのが、「自分の声を聴いているか」ということ。 習慣化は自分の心の声を。 体は体の声を。 そこに目を向けることで、すぐに予防にまわれます。 マイナスになっている状態を0に戻すための地道な作業が、結局近道というところですね。 詳しくは次回に。 Stay home、そこまで大変ではないのですが、やはり恋しくなったのが映画館。 ウェッブの映画館で観たことがないものを観ることも考えましたが、自分の内情が不調な時こそ、自分が影響を受けた映画で原点回帰することをしました。 「バベットの晩餐会」というデンマークが舞台の映画で日本では1987年に初上映されました。 劇場では観ておらず、衛星放送で放送された時に観たのですが、凄く印象強くてDVDに保存してその後も何回か観ました。 どちらかというと地味な印象の映画なのですが、主人公の女性料理人バベットの仕事の姿勢に、自分が在りたい姿勢を見つけたからです。 ざっくりあらすじを説明すると、19世紀後半、動乱のパリで家族を亡くした女性料理人バベットが、デンマークの小さな漁村にすむ信仰深い質素倹約の生活を送る姉妹の元に逃げ延びてきてメイドとして働くようになりました。彼女は元シェフとしてのスキルを活かして姉妹を支えます。 ある日バベットの宝くじが当たったので、姉妹や周りに住む仲間の信仰者達に、それまでの感謝として姉妹の父である牧師の記念日に料理をごちそうしたい、と申し出ます。 その料理のにより人々の心が変化していく・・・という話です。 私が惹かれたバベットの姿勢は、有名なレストランのシェフだった肩書ではなく、0からのスタートでも色々な人にプラスの還元をしていくところ。
言い換えると、シェフであった自身の力の誇示ではなく、ただ真摯にベストなものを提供しようとしていく姿勢とそこから周りに伝わっている幸福感に、出し惜しみをしないgiveというモノがあると感じました。 パリの有名レストランで提供していた同じコース料理を、デンマークの小さな漁村で提供した時、パリでまさにそのコース料理を味わったことのある人が「その時の料理を思い出す」と言います。 ということは、場所や状況が変わっても常に同じだけの熱量で向き合っている、ということが分かります。 また質素倹約の生活を続ける姉妹や村の人々にとって、食欲も抑えるべき欲の一つ。 最初はその美味しさを受け入れることに抵抗していた人々も、料理やワインを口にするごとに湧く心の機微が抑えきれずに表情に現れます。 そして頑なになっていた心が徐々に解され、人間的なギスギスとした感情をも解して円満な状態にしていきました。 その人々の変化していく感情や抑えきれない喜び、そしてそれを作り出していくバベットとの関係にモノを作り提供する側として、自分もこう在りたい、と感じました。 料理に限らず、手にしている様々な能力を、日々出し惜しみなく使えたら、自身にも周りにも良い影響を作れるのではないか、と考えます。 ただそこに、人間的な感情がぐちゃぐちゃと入ってしまうと、ややこしいことになってしまいます。 Give側もTake側もニュートラルな姿勢で向かい会えたら同じような良い循環を作り出せるのかもしれません。 まずは日々ニュートラルな状態でベストを尽くせるよう、自分を整えていき、在りたい自分に近づけるようにしていけたら、と思います。 ジュエリーを購入する時、3つの選択肢があります。 既存の商品から選ぶ、オーダーで制作してもらう。 また既存の商品のアレンジで、素材や長さ、メッキの色や向きを変える。 既存の商品のアレンジ、カスタムメイドに今年の最初の方では対応させていただきました。 カスタムメイドの利点は、すでにあるもののアレンジなので、出来上がりの想像が付きやすく、値段も変わらないので、気を張らずに”自分好み”を仕立てられます。 逆に、オーダーメイドになってくると、ヒアリングから始まって、サンプルチェック、制作、チェック、最終手入れ、お渡し、の順になるので、「世界で一つ」を作るためのちょっと長い道のりを歩まなければならないので、お時間とちょっとばかり大目の費用もかかる。 自分自身へのカスタムメイドなりオーダーメイドは数え切れないほど行なってきているけれど、自分が他のブランドにてほとんどやっていただいた事が無い事に気がつきました。 何でかと言うと、カスタムオーダーでもオーダーでも、自分がこんなのを持ちたい、という願望が強くなかったから。 普通に陳列されている商品を見て、その中から選ぶ事で満足だったからです。 最近バースカラーというパーソナルカラーを診断してくれる吉田真由美さんとピンキーリングを作るプロジェクトをしていて、自分の色味も気にしていた事もあり、唐突に名刺入れ変えたい、しかもmrippleさんが使っている赤!と思い立ちました。 mrippleさんはデザイナーズビレッジに居たときの先輩で、革製品を作っているブランド。 特徴的なのは、非常に特徴的な染めのレザーを使っているところと、扱っている皮の色の美しさにあります。 しかも使えば使うほど色が美しく変化していくので、その過程を楽しんでいきたくなる様に思います。 デザインもすっきりしています。 現在コロナウィルスの影響でポップアップショップなどはないのですが、松屋銀座でポップアップをしていた3月31日に滑り込みで買いにいけました。 最初は商品としてあった朱に近い赤のを見ていたのですが、 「使っていったらどんな赤になって欲しいん?」 といわれて、「赤の色が深くなっていく感じ」がイメージにありました。 それで違うレザーの方がイメージに合う、ということがわかりました。 一見して、そこまで色が違うのかな、と思ったのですが、サンプルで違いを見せていただいて違いに驚きました。 レザーは生き物である事を納得。 レザーの種類、パスケースの形、縫う糸の色、パーツの種類を選ぶカスタムメイドなのですが、サンプルを見てどうなるか、経年変化も考慮に入れながらイメージするのは非常にワクワクするものでした。受け取るのが非常に楽しみになるくらい。 サービスを受けてみて感じた事は、このワクワク感が凄くいいな、と思った事。 確かに既存の商品を買うのは、すぐ使えるし、その場で試して確認できるので安心感があります。 でも千差万別。 みなが同じ型で合うわけではない。 どこかで「自分の好みの選択の自由」があったらもっと大事に愛着をもてるのではないか。 他にも縫い糸のサンプルが見やすかったり、経年変化でどうなるかもサンプルでみれたので、そういうアイテムがあるとカスタムで選択する時安心だな、と思いました。 自分視点でやっていた事を、客観視できる良い機会でした。 今回、緊急事態宣言でデパートにとりに行けなくなったので郵送で送っていただいたのですが、開けたところからワクワクしていました。 いま色々な商品を宅配便で受け取りますが、毎回あけるときにパッキングがどうなっているか気になっています。 入っている詰め物を慎重に開いてDMやケースの佇まいに緊張したり、開けたらすぐ商品がどーんと入っているのを見て驚いたり、梱包の頑丈さに中の状態を想像してみたり。
今まで宅配に頼らなかったものまで宅配を使っているので、どんな梱包の仕方があるのか、見てみるのも面白いなと思いました。 現在お仕事としてジュエリー制作を行っています。 初めからジュエリー制作を仕事にしよう、と思っていたわけではなく、つくる事が好き、から始まりました。 実はこの事実を最近まで忘れてしまっていたのです。 今、家に居る時間が長くなって、生活を整えて体調も整えようと以前よりもしっかり料理をつくるようになりました。 ロンドンに居た時は一緒に暮らす友達と食事を作って食べたり、一品持ち寄ってお食事会したり、ケーキ作ってみんなでお茶会をして楽しんでいました。 日本でも実家に居れば、普段の家庭料理とは違ったものを作って、家族を楽しませたり。 日本に帰ってきて一人暮らしで何が変わったのかというと、仕事中心になって料理をするのが好き、を全く満喫してなかったことでした。 私が好きなのは、料理の完成よりもそのプロセスにあります。 どうやったらどう変化するのか、より良くするにはどこを変えたら良いか。実験のように少しずつ変化をさせるのが好きなので、同じ味を再現するのはちょっと難しい。 でもロンドンで色々な方の料理の盛り付け方を見せていただいたので、仕上げにも少し工夫が出来るようになりました。 記録として写真に留めているのですが、それをたまたま知人に見せた時の表情をみて、自分の原点を急に思い出しました。 「人の感情が動くところが見たい」 美味しいものを食べて表情が緩んだり、盛り付けたお皿を見て興奮した声をあがる。 ピアスを耳に着けてみて、鏡越しの姿を色々な角度からみる。 指に着けたリングを、光に当てたり手を意識してみる。 料理とジュエリーでは材料も出来るものも違います。 けれど作るものは変わっても、生み出される感情の動きは同じ。 そこに魅かれて、モノを作っています。 「私は何が出来るのだろうか」と考えていましたが、自分の創作の原点を見逃していた事が知れました。 変な話だけれど、こういう時期だから振り返れたのかも知れません。 自分の原点、好きの追求、こういう時期だから突き詰めていくのに使いたいと思います。 モノを作り出すという事を、よく出産に例えますね。 ぎゅうっと要素を詰め込んで、一つの形にするのに禿げそうなほど悩んで、葛藤して、形になる。 最終形態まで作れたら、もう気力が萎えてぐったりしてしまう。 私は女性なのでイメージが付く例えなのですが、男性の場合はどうなのだろう、と密かに思っています。 このような気持ちは、作るものの終着点によってその難産度が明らかに違ってきます。 普段一番よく作る既存のデザインのモノは、ある程度手馴れているので、そこまで神経質な思いをせずに制作が可能なものになっています。 なぜなら、制作上の気をつける点や手順がノートに残してあり、ノートを確認すれば作った時の感覚を思い出せます。 また、終着点が規定サイズを作ることなので、すべて同じサイズに作れば良いから、それこそ流れ作業で制作が可能になります。 次に多いカスタムメイドのアイテム。 こちらは既存のアイテムをお客様のニーズに合わせて変更を加えます。 長さを長くしたり、石を変えたり、パーツを加えたり、メッキの色を変えたり、材料自体を変更してしまったり。 こちらはよっぽどの事がない限り、通常の陣痛が30%位長びく感じになります。 しかし完全なるオーダーメイドのモノになると陣痛の長さがどんどん長くなっていきます。 お客様のニーズをヒアリングし、コンセプトを決める。 そこからアイディアをデザインして、形に起こしサンプルを制作する。 このやり取りを数回するので、その間波のように陣痛にみまわれます。 複数作るのは、最後の詰めをお客様の直感にお任せしたいからです。 それを元に実際のマテリアルを使って製作していきます。 実際に最終のモノを制作する段階で、更なる大波に翻弄されます。 サンプルを超えたモノ、自身の持つ能力を最大限使って制作したいと思っています。 なぜならオーダーメイドはパーソナルな何かを反映させたモノだからです。 想いを伝えるツールになったり、好みを反映させたもの、永く時間を共にするであろうモノになるので、限りなく理想の形に仕立てたい。 「想い」、はあってもうまくいかずにやり直しを選択しようか、そんな想いが、ぐぐっと陣痛のように押し寄せてくることもあります。 それでも続けられるのは、生み出してモノを見たいから。 そしてそれがお客様の所に旅立っていくのが見たいからなのです。 ここまで書くと、まるで代理母のような気分になってきました。 想いの代弁するモノを作りだす。 まだお待ちいただいているお客様がいらっしゃっていて、本当に申し訳ないと思いながら制作している真っ最中です。 お時間いただけていて本当に感謝なのですが、早くお届けしたい。 もう二押しくらい、勘張ります。 本日のおやつは久々にフレンチトーストを作りました。 念の変哲もない、フレンチトーストに見えますが、中は半分プリンのようなフワっトロっ、な食感です。 半日位かけて卵液を浸み込ませたので内側がそのような状態になります。 最初に作ったのは英国に居たとき。 英国のパンは日本とは正反対の、パサパサでザックリした食感です。 サンドイッチには非常に合うタイプのパンで、どちらかと言うと私はこちらが好み しかし、うっかりバケットを買ったときの紙の袋に入れたままテーブルの上に置いていて、ガチッと固くしてしまったことがありました。 次の日の朝食べようと思っていたので、何とかしようと考えて、どこまで柔らかくなるかわからないけど、卵液に浸す事にしました。 乾燥度合いが良かったのか、スポンジのようにたっぷり吸ってフルンフルンになりました。 パンが同じような状態になった時やリクエストで作ったりしていました。 今回は冷蔵庫の中にうっかり放置していたパンの塊をカットして使いました。 ちょうどパサパサ感があったので、ちょうど良い感じに卵液を吸ってくれました。 もう定番メニューだけれども、失敗から生まれたメニューの一つ。 英国に行ってなかったら、生まれていなかったかも知れないメニューです。 ***************************** 「英国に住んでいました」 という話をすると必ず聞かれる質問があります。 「イギリス料理ってやっぱり不味いの?」 「味の基準」は人それぞれなので、何を持って甲乙つけたらいいのか難しいところがありますが、一般的な味を「どこでも同じ味が食べられるコンビ二のメニュー」にすると、食のレベルは低かったと思われます。 2003年英国に行った頃驚いたのが、料理に添えられている野菜やパスタはゆですぎて柔らかかったり、味があまりしなかったりしました。 学生がお手軽な金額で食事できるところは、ファーストフードのお店、China Townの中華料理やエスニック料理(アジア料理や中東料理)。 本で読んだ知識では、英国は家で食事をする人が多いので、外食産業があまり発展していない、という事でした。 だから家庭料理が美味しいと。 でも色々聞いていくと、それは母親があまり外に仕事に出ていない時の話、のようでした。 共働きの家庭やシングルペアレンツの家庭では、すぐ食べられるようなメイン料理にゆでたパスタやライスを添えるだけ、を出していて、あれ、バランス大丈夫?と思ったことがあります。 スーパーでローストされたチキンにゆでただけのパスタとを添える。 小学生の子供の居るおうちだったのでちょっとびっくりしました。 その頃、ちょうどイギリス人シェフのジェイミー・オリバーが学校の食育に乗り出したりしていたので、多くの人がステレオタイプに覚えている代名詞も伊達ではなかったのだな、と思いました。 日本に居れば様々な国のレストランがあり、そこそこの値段で体験できます。 また「安くてもなかなか美味しい」お店の種類が広い。 あちらは当然、「価格が上がれば味のレベルも上がる」という感じ。 見知らぬ食材が並ぶスーパーをみて、どうサバイブするかしら…と考えたりしてました。 基本の野菜、ジャガイモ、玉ねぎ、人参、トマトなどは殆ど変わりはありませんが、ナスやキャベツやカボチャなどちょっとづつ違うものもあったので、最初は知ってるもので出来る料理を作り、徐々に試しに使ってみるようになりました。 行っていた学校のカリキュラムは、様々な素材の特徴をいかしたデザインを考えたり、実際に試してみるというもの。 素材は違えど、行動は同じ。 着地点を想像しながら試してみるのは、まさしく化学の実験のよう。 最初の頃はそこまでネット環境もしっかりしていなかったので、英語のメニューを勘でアレンジしてみたり、知ってるレシピを他の材料で試してみたり。 もともと、「日本食じゃないと無理」「ご飯とお醤油無いと生きていけない・・・」ではなかったのも幸いして、創作もしたり、あるものを使ったメニューも随分できました。 学んだ事は、発想の転換と想像と実験の繰り返しが新しいものを生む、という事。 学校のカリキュラムもそうだけど、毎日の生活で「枠」の中にあるものを生かして最大限楽しむにはどうしたら良いか? 「10のうち5、準備されている」ものを使うのは時短になるけれど、0から10をめざしてスタートしてみるのは時に8までしかいけない時もあるけれど、突然20の景色を見せてくれる時があります。 そういう経験は貴重、と私は思います。 久々にまたやってみようか検討中です。 連休中かな・・・ 子供の頃から続く癖、ありませんか? 私は収集癖があります。 気に入った文具や切り抜き、動きの面白いおもちゃや何かのオマケ。 装丁の美しい本やエッセイ等々・・・ 気に入ったらジャンルを問わ無いのですが、人から見たらただのゴミの様に見えるモノもあります。 大人になって英国に住んでいた時もそこまで習性は変えられず、限定はされても収集はしていました。 しかも仕事用にアイディアのストックなんてものもするので、2D、3D様々な資料が増えていき、部屋を整えてもゴチャゴチャ感が消えない事がずっと続いていたので、いい加減何とかしたい!と今年始めに思い立ちました。 そんな時に知り合いの方が主催された”お片付けの講座”に参加してみました。 サクッと言うと、「マインドの状態が部屋の状態とイコール関係であるという事」。 様々なものがゴチャゴチャとあるという事は、マインドの中も同じ状態。 情報や思考の整理が出来ていないで収納されているようなモノだそうです。 これにはドキッとする部分がありました。 イメージ的に、マインドは自分の中にある”ミュージアム”の様に思っています。 音や見たもの、感じた感情や香りや事件、平面のモノも立体のモノ入っている感じです。 前は”図書館”のイメージだったのですが、最近では本の様に整理されていない部分が大分増えてきてしまっているので、イメージが変りました。 マイミュージアムを思いつつ部屋を見渡すと、なかなかシンクロするところがありました。 興味を持ったものすべて同じように残してあるのです。 好きなモノだけに特化しているわけでなく、興味を持ったもの全部。 興味を失ったモノも念のため取ってありました。 これではゴチャゴチャするのは当たり前です。 ではどうしたら良いでしょう? 自分の心が動くもの、この先、未来にも持っていたいモノに限定する。 今まで興味のパーセンテージが50%位でも残していた所を80%位にまで上げて取捨選択をすることにしました。 クローゼットからのスタートでは、”無難に使えそう”で買ったカーディガンやカットソー、パンツを間引き、意外と長く使ってたヒートテックやTシャツも間引いてリサイクルに回しました。 メインの服は「気に入ったものを大事に着る派」、なので古くても新しくても気に入ったものだけに限定したら、なんとかすっきりしました。 また本棚も情報のアップデートが必要なものは取り去り、習慣で買っていた雑誌や本も必要なモノだけに厳選し、資料もピンと来ないものは自動的にゴミ箱に移動させました。 こういう時色々考えるとモタモタしてしまうので、直感が大事と思いました。 本当に、なんで取ってあったのか思い出せないくらいの資料までありました。 定期的にこういう入れ替えって大事だな、と反省。 資料の置き場所は家にとどまらず、事務所にもあります。 これまでに作ったディスプレイ用に作った什器や業者のカタログ、色々な所で頂いた資料など。 他にも素材やらサンプルやらツールやらやらがあります。 まだ時間が十分とれなくて、終わったわけではありませんが、色々見えてくることがあります。 「自分の興味のパーセンテージ80%で選択する」と設定したら、あたり前ですが選択のあやふやさや時間のかかりようが無くなっていきます。 そうすると、「ちょっとやってみる」行動が減っていって、「どうしてもやりたくてやる」行動に変化していき、行動の力の注ぎ具合がぐんと上がります。 また新しいアイディアに目が向けられています。 ビジュアルで「80%以下は切り捨て」としたら、マインドの中の物まで80%以下が整理されて余裕が出来たのかもしれない。 今までどんだけ詰め込んでいたのやらです。 まだ1部整理しただけなのでまだまだ片づけられるところがあります。
今まで後回しにしていた事が、実は非常に重要な部分だったことを今回実感しました。 「インプットが無いとアイディアが出ない」と思っていましたが、インプットの前にスペースを十分空けておかないと展開の幅が広がらないし、そもそも情報を入れられない。 めちゃくちゃ非効率な事をしていたかもしれないな、と反省です。 なので、気が付いた今、時間を作って次の行動がスムーズに出来るよう準備して行こうと思います。 |